もしも、もう一度キュピルとジェスターが幻想卿に飛ばされたら(第三話)



永琳の実験に付き合わされ冥界へと行ってしまったキュピル。
しかし何やかんやトラブルを巻き起こし白玉楼から現生へと吹き飛ばされたキュピルとジェスター。



==永遠亭


キュピル
「っと言う訳で永遠亭まで吹っ飛ばされました。」
ジェスター
「あ、鈴仙がキュピルと私の死体を持って何処かに捨てようとしてる。」
キュピル
「早く自分の体に乗り移るぞ。」




・・・・・。


鈴仙
「うぅぅ・・・。どうか・・どうか安からに・・・。」
キュピル
「うおおおぉぉぉっーーー!!生き返ったぁぁーーーー!!」
鈴仙
「ぎゃああぁぁぁぁっっっっっーーーーー!!!」



死んだはずのキュピルとジェスターが生き返り、驚いた鈴仙が驚きのあまりに泡を拭きながら卒倒した。

キュピル
「うーむ、やっぱり生きてるって素晴らしいーなー。」
ジェスター
「幽霊になってる時に顔合わせられると恥ずかしくて姿消したくなるもんね。」
キュピル
「テレサかよ。
ほら、永琳に約束通り宇宙に行く方法教えてもらうぞ。」



・・・・。

・・・・・・・・・。


永琳
「さ・・て・・と・・。」
ジェスター
「ちわー、三河屋でーす。」
永琳
「うわっ!!・・・お、驚かせないでよ。」
キュピル
「人を殺しておいて(ry

とにかく、約束通り宇宙に行く方法を教えてくれ。とんでもない実験に付き合ったんだからさ。」
永琳
「・・・はぁ・・。まさか戻ってくるなんて思わなかったわ・・・。」
キュピル
「それ公然と言っていいのか?(ピキピキ」





・・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。




==紅魔館


レミリア
「イライラ・・・イライラ・・・。」
咲夜
「お嬢様、先程から突然お屋敷から飛び出したりしてお忙しいようですけれど・・・いかがなさいましたか?」
レミリア
「あいつ全っっっっ然反省してないわ・・・。あいつのせいで12時間も映姫に説教喰らわされたわ・・・。
余程の宝物じゃない限り許さないわよ・・・。」
咲夜
「???」

ジェスター
「ただいまー!」
キュピル
「レミリアー、良い宝物持って来たぜー。」
レミリア
「呼び捨てで呼ぶな、様をつけなさい。
それで良い物って?」
キュピル
「窓見てみろー。」

レミリアと咲夜が窓から外を覗き見る。
そして外にある巨大な物体を見て二人とも驚愕の声を上げる。

レミリア
「わわっ!!ろ、ロケットだ!!」
咲夜
「!!???(話しの流れが読めない」

キュピル
「パチュリーから聞いたんだ。レミリアがロケット欲しいって言ってたって。」
レミリア
「・・・それでロケットを。・・・・ふ、ふふっ、奴隷にしては上出来ね。咲夜!!さっそく宇宙に行くわよ!!」
咲夜
「お、お嬢様・・!?」




・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。




==ロケット内


レミリア
「中々立派ね。」
キュピル
「何で俺達まで行く事に。」

レミリア
「操縦方法が分らないんだから、従者が案内するのは当然の事よ。」
キュピル
「何時からレミリアの従者になったんだ、俺は。明日にでも返る予定だぞ。」

レミリア
「あら?私の従者になれて本当はとても嬉しいんじゃないのかしら?ここに居ないと私には会えないのよ?」
ジェスター
「幻想卿に居なくても、時々レミリアはトップページとか思った事を呟く道場にティムールと一緒に現れるよね。」
キュピル
「何の話しだよ。」

レミリア
「いいから早くロケットを打ちあげなさい!」
キュピル
「いででででっ!弾幕飛ばすな!なんか永琳曰く椅子に座ってこのボタン押すだけで好きな場所に行けるって言ってたぞ。」
レミリア
「そう。」

レミリアが椅子に座りシートベルトを占める。

キュピル
「で、何処に行くんだ?」
レミリア
「ふふふっ、月よ。発射ー!!」
キュピル
「あーー!!ちょっとまてーーーー!!!」


レミリアが赤いボタンを押し、紅魔館の中庭に置かれていたロケットが宇宙へと飛び立った。

ジェスター
「ぎゃぁっー!」
キュピル
「俺シートベルトつけてねええーーー!!」


ロケット内でピンボール玉のように弾け飛ぶキュピル。数分後、ロケットは成層圏を突きぬけ無重力空間へと到達した。

レミリア
「ふっふっふ・・・。ここが宇宙ね。幻想郷があんなに小さく見えるわ。」
キュピル
「脳震盪で死にそうだ。」

レミリア
「そのまま月へ行きなさい!」

はしゃぐレミリアを余所にジェスターがロケット内で何か調べ回っている。

キュピル
「ジェスター、一体何調べてるんだ?」
ジェスター
「宇宙船の名前ー!せっかくだから知りたい!」
キュピル
「あ、それもそうだ。この宇宙船は何て名前なんだ・・?えーっと・・・・。・・・お、これじゃないのか?」

キュピルがアイアンプレートに掘られた英数字を見つける。

ジェスター
「あ、それそれー。何て書いてあるー?」
キュピル
「えーと、テポドン2号って書いてあるぞ。
・・・・・・うわあああああああぁぁぁぁっっっっっーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
レミリア
「あれ、月が目の前にあるのに減速しないわね。」





その五秒後。月にテポドンが直撃し、大爆発。粉々に割れた月から辛うじて脱出した月の住人達は幻想郷からの宣戦布告と見なし宇宙戦争が引き起こされたがそれはまた別の話し。






・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・。





慧音
「全く!!お前達は何回幻想郷にトラブルを持ちこむつもりだ!!」
キュピル
「サーセン。」


獣人化した慧音がキュピルとジェスターに説教する。

ジェスター
「結局また慧音がスペルカード使って黒歴史化したんだね。何処まで話し戻ったのかな?」
慧音
「宇宙船を打ちあげた所まで歴史を戻し、その後お前達とレミリアは普通に宇宙旅行を楽しんだっていう歴史に作りなおした。」
キュピル
「流石は慧音先生・・・。今後ともよしなに。」
慧音
「おんどりゃぁっー!」
キュピル
「ギエエエエエエエ。」

怒った慧音がストレス発散させるために角でキュピルのお腹を突き刺す。

ジェスター
「また死にそうだね。」
キュピル
「もう勘弁してくれ。」

慧音
「今月分の憂さ晴らしするからな、覚悟しろよー!」
キュピル
「八つ辺りかよ!!!ぐぼえっ。ていうか、俺微塵も悪くない。全部レミリアと永琳(ry」
慧音
「関係ねぇっー!!」
キュピル
「ぐえっ!」
ジェスター
「あの慧音なんかきもい。きもけーね。」
慧音
「貴様ぁっー!!」
キュピル
「いや、言ったの俺じゃねーし!!おぼろっ・・・。」




・・・・。

・・・・・・・・・。




==紅魔館


レミリア
「ふふ♪」
咲夜
「ご機嫌ですね。」
レミリア
「宇宙というものがあんなに良いとは思わなかったわ。ところで、何故馬鹿がここで倒れているのかしら。」
キュピル
「もういいだろ・・・俺をナルビクに返してくれよ・・・。」

ジェスター
「帰る方法わかるまで頑張れ〜。」
キュピル
「もう分っているだろ!!!」


???
「あれ?咲夜、この人だーれ?」

咲夜
「あ、フラン様。」
キュピル
「ん?」

うつ伏せに倒れていたキュピルが顔を上げる。目の前に屈んでキュピルの顔をまじまじと見てる子がいた。
レミリアと色違いではあるが同じ帽子を被っており、何と言っても特徴的なのは背中に木の枝のような物が翼のように生えており、その翼に沢山の何色もあるクリスタルがついている。

ジェスター
「あーーー!!勝率4%だったのにレミリアに勝った人だーー!!」

レミリアがジェスターの頭を引っ叩いた。

ジェスター
「いったーーーーーい!!」
フラン
「ねぇ、お姉さま?この人だあれ?」
レミリア
「奴隷。」
キュピル
「ロケット提供したのにあんまりだ。」

フラン
「奴隷・・?」
レミリア
「自由に使っていい動く人形みたいなものよ。」
フラン
「人形!?じゃぁお姉さま!このお人形さん借りていい?」
レミリア
「壊しちゃだめよ。微妙な使い道はまだあるから。」
キュピル
「微妙って何だよ。」

キャッキャ騒ぐフランに後ろ襟を引っ張られながら何処かへ連れて行かれるキュピル。
叩かれた後頭部を抑えながらその後を歩いて追うジェスター。

咲夜
「大丈夫なのですか?力加減が分らず彼死んでしまうのでは?」
レミリア
「その時はその時よ。」


・・・・。

・・・・・・・・・。


==紅魔館・地下室


フランに連れて来られた場所は地下施設だった。・・・いや、施設かと思いきや一応部屋らしい。
しかし石壁に囲まれており、とてもじゃないが落ちつけるような部屋じゃない。

キュピル
「なんだこりゃ・・・。レミリアの部屋と比べて随分質素だな。」
フラン
「喋るお人形さん!私と遊びましょ!」
キュピル
「遊ぶったって・・・。一体何して遊べばいいんだろう。」
ジェスター
「鷹の爪団ごっこしようよ。」
キュピル
「圧倒的に人数たりねーよ。つーか、やってて面白いか?それ。」

ジェスター
「NEOやってて話題性たっぷりだったのに。」
キュピル
どうでもいい。・・・そうだなぁ・・。こんな部屋じゃ何も出来ないし外行こうか。何か面白いのあるかもしれない。」
フラン
「え!?お外に連れてってくれるの!?」
キュピル
「時刻は夜10時だし、吸血鬼にとって今が一番歩きやすい時間帯なんじゃないのかな。俺はまだ眠くないし、外行くか。(んで、あわよくばナルビクに逃げる。)」
ジェスター
「ガイドブックによるとフランは人生の殆どはこの地下室に閉じこもって生活してたらしいよ。」
キュピル
「何だよ、それだったら尚更外行けばきっと楽しい事あるさ。」
フラン
「お願い。外に連れてってくれない?お姉さまが許してくれないの。」
キュピル
「ははん、なるほど。よし、それなら・・・。」



・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。



レミリア
「今宵は満月ね。今日一日このままじっとしてるのは勿体ないくらいね。」
咲夜
「(今日昼間はずっと外に出ていらしてた記憶がありますが。)」


紅茶を飲みながらバルコニーでお月見するレミリア。その時、紅魔館正門から誰かが出て行くのが見えた。

レミリア
「・・・・ん?」

キュピル
「今だっー!!」
ジェスター
「わっー!」
フラン
「わあああーー♪」

レミリア
「ぶはっ!!」
咲夜
「お、お嬢様!?」
レミリア
「あの大〜馬鹿者〜〜〜〜!!!!」




・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



==紅魔館の外れ

キュピル
「多分気付かれていないな。」
レミリア
「本当にそう思っているのかしら。」
キュピル
「ぎょ!」
フラン
「あ、お姉様。」

紅魔館を出てたったの一分でばれてしまった。

ジェスター
「ってか、キュピルが正門でて次の行にはもうレミリアにばれてたよ。」

キュピル
「行って何だよ。あーあ、まーたレミリアの機嫌が悪くなる。」

レミリア
「そもそも、そんな行動とるな!!」

レミリアが渾身の力でキュピルを殴り飛ばし、同様にジェスターも投げ飛ばした。

キュピル
「今日で何回目だよ。」
ジェスター
「うーん、分んない。」


レミリア
「はぁ・・・はぁ・・・。やっぱりあいつ殺すわ・・・。」
フラン
「?」





・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




==???

キュピル
「うーむ、そろそろ博麗神社に行って帰りたいんだが。」

ジェスター
「そんな事言わないでよ〜。ね?ね?」

地面の上であぐらをかき、帰りたがるキュピル。一方ジェスターはまだまだ帰りたくないらしく、キュピルのご機嫌を取ろうと
ふわふわの髪の毛をキュピルの頬にこすりつける。ジェスター種なりの愛情表現らしい。

???
「ん?お前達何者だ!?」
キュピル
「ん?」

目の前に白装束に紫袴を身に付けた背の低い女性が立っていた。
ビシッと威勢よくキュピルに指を突きつける。

キュピル
「俺の名前はキュピル。今はただの旅人だよ。」
???
「ほぉ、旅人かー。我が名は物部布都(もののべふもと)と申す!」
ジェスター
「物部布都?難しい名前だね。」
キュピル
「んー・・?ちょっとまてよ・・。古代日本に物部守屋という人物がいてその妹の名前が布都という名前だった気がするな・・。名字まで同じで・・・お、お前は!?」
布都
「おぉっ!最近の若者にしては物知りじゃのぉっ!関心関心。」
ジェスター
「キュピル、wikipedia見ながら言ってたもんね。」
キュピル
「馬鹿野郎。」

布都
「お主等、旅人と申したな。もしや道教の教えを乞いに来たのか?」
ジェスター
「道教?あ、哲学を一番乗りで発見すると創始出来る宗教のあれだよね。」
キュピル
「それはCiv。」

ジェスター
「法律発見からの哲学ジャンプ平和主義からのアレクサンドリア図書館コンボは鉄板。」
キュピル
「それはCiv。」

布都
「お主等一体何の話しをしておるんだ・・。まぁまぁ、しかし今太子様はお忙しい身。変わりに我がお主等に道教の教えをしんぜよう!!」

そう言うとペラペラと道教について喋り始めた。

キュピル
「この子、勘違いしたまま話し進めちゃったな。」
白蓮
「困りましたわね、この方達は道教は全く興味はないようですけれど。」
キュピル
「次から次へと新キャラが現れて状況把握が出来ん・・・。」

ジェスター
「白蓮はともかく、布都は完全に新キャラだもんね。」

キュピル
「で、どちら様で?」
白蓮
「私の名は白蓮。遠い昔の僧侶です。」
ジェスター
「僧侶ってことは仏教?」
キュピル
「そうだな。」
布都
「あぁっーー!!神霊廟の真上に寺建てた悪人!!」
キュピル
「傍から聞くと、人の墓の上に寺建てた超びっくり建築にしか聞こえないんだが。

・・・なぁ、早く立ち去ろうぜ。宗教関係に巻き込まれたくない。」
ジェスター
「ア・ラーム、今こそジハード(ry」
キュピル
「サラディン先生ぇぇええええーーーー!!!」

布都
「なっ、お主等ー!!道教ではなくイスラム教を崇拝すると申すのか!!」
キュピル
「いや、俺はどっちかっていうとヒンドゥー・・・。」

布都
異宗教を崇めるとは不愉快だな(-10

キュピル
「イザベル並の宗教キチガイだな。

魔法だって何でも取捨選択して選べる時代だというのに。
行こうぜ、ジェスター。宗教は話しが面倒だから関わりたくない。黒歴史化する。
布都
「あぁー!こらぁっー!まてー!そっちは太子様がいらっしゃる神霊廟だぞー!!」
白蓮
「えーっと、私は何しにここに来たんでしたっけ・・。」



・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。


キュピル
「目の前に建物があったから入ったものの何か厳かな場所に来ちまったな。」
ジェスター
「あ、奥に誰かいるよ。」
神子
「よく来ました、旅人よ。」

和の文字が入ったヘッドホンをしている女性が奥の椅子に座っていた。
薄紫色のノースリーブ、大きな紫色のスカート姿。あまり宗教を崇拝している人に見えない。

キュピル
「ん?あの人って布都が行っていた人か。太子様?」
ジェスター
「ガイドブック〜。えーっと、本名は豊聡耳 神子(とよさとみみ のみこ)。10人の話しを同時に聞く事が出来るんだって。」
キュピル
「聖徳太子か!なるほど、だから布都は太子様と言っていたんだな。」
ジェスター
「聖徳太子ってかよわそうな女の子だったんだね〜。」
キュピル
「んな、ばかな。俺の知っている聖徳太子は50歳前後のおっさん(ry」

神子
「あまりその点については普及なさらないほうが・・・。私は聖徳太子の生まれ変わりであると認識した方が飲みこみが早くなると思います。」
キュピル
「なるほど、そういう発想ならすぐ飲みこめる。」
ジェスター
「ねーねー、神子は何するためにここにいるのー?」
神子
「・・実は復活したばかりで、具体的な行動は決めかねています。ひとまずは信仰を集めるために道教の布教を考えています。力の源にもなりますからね。」
キュピル
「へぇ。しかし幻想郷にも宗教ってものがあるとはねぇ。それも道教か。日本の神道を思い出すな。」
神子
「道教のベースは今君が言った神道から出来ている。考え方は間違っていない。」
キュピル
「道教って貴方が創始したのですか?」
神子
「いいえ。」
キュピル
「ってことは誰かから聞いたってことだよな。何故道教を?」
神子
「大地は神々の時代から変わらず、海は水を湛えている。何故、人間は死を受け入れなければならないのか。ふと私はそう考えました。
そんな時、仙人である霍青娥が私に道教を勧めにやってきた。不老不死を実現する宗教であると。」
キュピル
「不老不死になりたかったのか。それだったら道教何か選ぶより、とっとと吸血鬼なら妖怪になるなりしたほうが早かったんじゃ・・・。」
神子
「聞き逃したのでしょうか?何故、『人間』は死を受け入れなければならないのか。」
キュピル
「俺は不老不死になった事あるからその問いに答える事は出来るぞ。」
神子
「な、なんと!!?貴方は不老不死になった事があると!?」
ジェスター
「あー、幽霊刀の件?」
キュピル
「おういえす。」
ジェスター
「キュピル結局幽霊刀の束縛を解いて不老不死手放しちゃったよね。変なの。普通の人なら不老不死は望むのに。」
神子
「なっ・・・あ、貴方は不老不死を自ら手放した!?」
キュピル
「あぁ・・。理由なんて簡単なもんさ。人間はいつか死ぬと分っているから輝ける時があるんだよ。
永遠に生きてるとどっかの誰かみたいにぐーたらな日々が何年も続くだけだぞ。」
神子
「私は違う。」
キュピル
「というか、不老不死になった所で人生の物語は無限ループを迎えるだけで壮絶な苦痛でしかないと俺は思うんだけどな。そのうち生きるのが辛いーって事になりうる。」
神子
「む、むむむ・・・。・・・貴方の欲がよく見えません・・・あ、こ、これは今ギャグを申した訳ではなく、えっとその。」
ジェスター
「偶然ギャグが成立してた時って恥ずかしいよね。」

キュピル
「不老不死である閣下を見てみろ!何世紀も椅子に座り続けて時々訪れる人間に『オォーウシブレェーイ』って言うだけの(ry」
ジェスター
「もうそのネタやめてよ。」

布都
「あーお主等ー!太子様を困らせるでない!」
キュピル
「うわっ、ジェスターもどきが来たぞ。」


ジェスターと布都がキュピルをタコ殴りし始める。

キュピル
「白い服に白い髪でぱっと見煮てんじゃんかよ・・・。」

布都
「我の髪は灰色じゃぞ。」
キュピル
「光の具合によって白っぽく(ry」
ジェスター
「私は何処に居ても真っ白!ピュアな心を露わしてる証拠〜。」
キュピル
「はぁ?」

キュピルをタコ殴りするジェスターを余所に布都と神子が何かコソコソ話しをしている。

キュピル
「ジェスター、もう帰ろうぜ・・・。そろそろここから逃げた方がいいんじゃないのかって直感が・・。」
ジェスター
「キュピルって宗教苦手なの?」
キュピル
「小難しすぎてよくわからないのが本音。それに宗教戦争とかよく起きるしな・・。」

宗教戦争と聞いて一瞬神子の眉がピクッと動く。・・・何か思う所がやはりあったらしい。

ジェスター
「帰ってもいいけど、その前の一つだけ神子に聞きたい事が〜。」
キュピル
「一応聖徳太子の生まれ変わりなのに様をつけないとか。」


ジェスターが神子の座る席まで移動する。

布都
「お前ー。太子様に失礼のないようにな。」
神子
「ん?」
ジェスター
「なーんの音楽聞いてるの!」
神子
「あああ!!」
布都
「う、うわあああーーー!!」

ジェスターが神子のつけていた和という文字が彫られたヘッドフォンを取り上げる。・・・っと、思いきや耳当てだった。

ジェスター
「あーー!!ヘッドフォンかと思ったら耳充てだった!!!」

神子
「お、大声出すなぁっ・・・!!!」
キュピル
「あああ、そうか・・・。確か聖徳太子って耳がよすぎて・・えーっと・・。ジェスター、逃げろ。」
布都
「こ、こらああああーーー!!」

神子
「布都、貴方も大声だs(ry」
キュピル
「あいつ結構アホの子だな。」


キュピルとジェスターが全力ダッシュで神霊廟から逃げ始める。
すると前方から何かが飛んで来ているのが分った。

キュピル
「奴の攻撃か!?」
布都
「投皿、『物部の八十平瓮』!」

布都が皿のような物をあちこちに召喚し、それを壁に叩きつけて破片を作ると一斉にその破片がキュピルとジェスターに向かって降り注いだ。

ジェスター
「あー!!お皿割ってる!!物は大事にしなさいって神様に教えて貰わなかったの?」
キュピル
「あーあ、こりゃキューとかに見せたら真似して大変な事になりそうだな。もっと良い子に育たんもんか。」
布都
「技にケチつけられたのはお主等が初めてじゃ・・・。
ええーい、覚悟ー!」

再び皿を召喚し壁に叩きつけて破片で攻撃しようとする布都。

キュピル
「よくよく考えると皿を投げつけてるんじゃなくて破片で攻撃しようっていうのは結構地味な技だよな。」
ジェスター
「でもお皿の破片って刺さったら結構痛いよ?」
キュピル
「皿そのものがぶつかっても痛いと思うけどな。あ、そうだ。ジェスター。最近我が家の皿が少ないから何枚かキャッチして持ちかえろう。」
ジェスター
「はーい!」
布都
「お主等は戦闘中に何を雑談しておるんじゃ・・・。」


やる気が失せたのか意気消沈する布都。
持っていた皿が全て消えがっかりするジェスター。

キュピル
「(いまのうちに逃げようぜ。)」
ジェスター
「(うん。)」
レミリア
「あら、私から逃げれるとでも?」
キュピル
「お、良い所に。レミリア!!」
レミリア
「何よ。」
キュピル
「くたばれクズ野郎。」


その一秒後。レミリアがキュピルとジェスターを謎の波動で吹き飛ばし、どこか遠くへ吹っ飛ばした。

レミリア
「あいつの息の根を止めてやる・・・。」
布都
「む、侵入者!おりゃぁっー!!」
レミリア
「え、誰。」






・・・・。

・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




==???


キュピル
「ヘルメットが無ければ即死だった。」
ジェスター
「つけてないよね?」

キュピル
「はい。

・・・・で、目の前に神社がある訳だが。」
ジェスター
「あ、霊夢はもう寝てるって。紅魔館に帰ろ〜♪」
キュピル
「いいや、だめだね、俺はもう帰るね!!」

???
「こんな夜遅くに一般の方が守矢神社に来て頂けたのは初めてです。」
キュピル
「お?霊夢さんか?・・・って、守矢神社?」
早苗
「こんばんわ。私の名前は東風谷早苗と申します。守矢神社にどういった御用ですか?」

満面の笑顔をキュピルとジェスターに向ける。キュピルとジェスターが顔を見合わせる。

キュピル
「(物凄い好意的な方だ。)いえ、俺達はレミリアに引っ叩かれてここまで吹き飛んでしまって。そしたら偶然ここに。」
早苗
「あら、レミリアさんに引っ叩かれて生きてるなんて。もしかして普通の人間じゃありませんね?」
キュピル
「遠回し的に化け物って言われているような気がするのは気のせいか?」

ジェスター
「少なくとも私は人間じゃないもんー。」

早苗が何処からともなく二枚のチラシをキュピルとジェスターに手渡す。

早苗
「せっかく偶然でも守矢神社に来たのですから、守矢神社が祀っている神様「八坂神奈子」様を信仰してはいかがですか?」
キュピル
「せっかく宗キチから逃げたと思ったらここも宗キチだったでござる。」

ジェスター
「道教の次はなんだろうね。」
早苗
「・・・おや、もしかして神子様にお会いしたのですか?」
キュピル
「ああ、ほんの数分前に。」
早苗
「守矢神社が祀っている宗教も大変素晴らしいですが、道教も素晴らしい宗教ですよ。」
キュピル
「そもそも宗教ってのは見えない恐怖を無理やり視覚化させ、その恐怖から逃れるために生みだしたのが神だったり宗教だったりする訳だ。キリストとかなんか見れば死から逃れようとしているのがよくわかるだろう。
俺には宗教なんか必要ない。」
早苗
「いえいえ、守矢神社は違いますよ。守矢神社の御利益は奇跡だって起こせます!」

どーんと胸を張る早苗。余程の自信があるのだろう。

キュピル
「お、言ったな。この場で何か奇跡を起こして見せてくれって言ったら起こせられるか?」
早苗
「分りました、特別にお見せしましょう!」

早苗が祈祷し始める。

キュピル
「さて、一体何が来るか。」
早苗
「そりゃっ!」

早苗が叫ぶと、突如快晴夜だった空が曇り大雨を降らした。
何処からともなく早苗とジェスターは傘を取り出し、キュピルは大雨に晒される。

キュピル
「ちょっとまてや!早苗さんはともかくジェスターはどこから傘を出した!!」
ジェスター
「奇跡。」
キュピル
「馬鹿な・・・。」

早苗
「おや?貴方も奇跡を呼び起こす力をお持ちなのですか?」
ジェスター
「私だって奇跡を呼び起こす事できるもん!」
キュピル
「ほぉ、この雨乞い以上の奇跡とやらを見せてみろ。」
ジェスター
「あ、ちょっとまって。祈りを捧げてスターパワーを稼がないと奇跡呼び起こせないから。」
キュピル
「あれは奇跡じゃなくて星頼み。」

ジェスター
「もうちょっと待って。お姉さんのキスっていう奇跡呼び起こすから。」
キュピル
「やめろ、あれはマリオも震えていたぞ。」

ジェスター
「うるさいね。この死んだ人の名前を書き記す帳面にキュピルの名前書くよ?」
キュピル
「それは鬼籍。」

ジェスター
「じゃー、今度こそ奇跡だすね。はい、光る石。」
キュピル
「それは輝石。」

早苗
「二人寄り添って歩い〜て♪永久の愛を形〜にして♪」
キュピル
「それはキセキ。って、何で知っている。」

ジェスター
「たかが石ころ一つ!」
早苗
「ガンダムで押しだしてやる!」
キュピル
「馬鹿な。」

早苗
「実は私、外の世界からやってきた人なんです。」
キュピル
「俺も外の世界から来た人だが、少なくともそんな曲とかガンダムとか平然と知ってる奴はいないな。」(←例外


「おーい、早苗ー。こんな夜遅くに誰と話しているんだ?」

早苗
「あ、神奈子様・・。」
神奈子
「ん?おや?こんな時間にお客人だなんて珍しい事もあるんだな。」

背中に大きな注連縄を背負っており、何故か御柱まで装備している。

ジェスター
「あ!ガンキャノン!」
キュピル
「いいや、あれはスターゲイザーだ。」

ジェスターの分を含めた御柱がキュピルの頭上に落下し、潰れるキュピル。

キュピル
「解せぬ。」

神奈子
「お客人。夜中に妖怪が多く住むこの山を登ってくるなんて随分度胸があるね。この御柱に攻撃されてもただダメージ受けただけの所を見ると中々の者だ。」
ジェスター
「スタート位置がもう山の上だったね。」
神奈子
「?」

キュピル
「あいっててててて・・・。今のは特格か?」
ジェスター
「巨大な岩を何処からともなく呼びだして投げるあれ?」

早苗
「でも、あの機体はサブですぐダウン取れますし実は強いっていう噂ですよ。」
神奈子
「お前たちは一体何の話しをしているんだい・・・。

ほら、早苗。今日はもう夜遅すぎるし、この者達を勧誘するのは難しそうだ。早く寝なさい。」
キュピル
「神って眠るのか?」
ジェスター
「一回寝ると何百年単位で眠る神っているよね。」
キュピル
「この世界に・・・神はいない・・・。」

早苗
「神はいます!今の発言、万死に値する!」
ジェスター
「なんか早苗と凄く仲良くなれる気がする〜♪」

キュピル
「ここまでネタについてこれた奴もそうそういない。」
早苗
「よかったらまた明日守矢神社に来てください。ゆっくりお話ししましょう。」
ジェスター
「はーい!」

そういうと、早苗と神奈子は神社へと戻り姿を消した。

キュピル
「また縁があれば・・・って言っておけばよかったものを。さ、ジェスター。レミリアが追ってくる前に逃げようか。」
ジェスター
「何処に逃げるの?」
キュピル
「えーっと、博麗神社?」
ジェスター
「いーーーやーーーだーーーー!!」
キュピル
「つべこべ言わずに、この山から降りるぞ。」


じたばた暴れるジェスターの首根っこを掴みながら守矢神社から離れて行く。
実際に辿りつく場所は果たしてどこになるか。



「あやや、こんな夜中に人間が山の中をうろつくとは何かありそうですね。」


続く


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